目次
親知らずとは

治療法
抜歯
親知らずに問題が生じた場合、最も一般的な治療法は抜歯です。
特に健康に悪影響を及ぼしたり、将来的にトラブルの原因になる可能性が高い場合には、抜歯が選択されます。
抜歯は通常、局所麻酔を使用して行います。
ただし、親知らずの位置や状態が複雑な場合には全身麻酔が必要となるケースもあります。
感染の治療
親知らずの周囲で感染が発生した場合は、まず抗生物質や鎮痛薬で炎症を抑えます。
その後、感染が治まった段階で必要に応じて抜歯を検討します。
経過観察
特に問題を引き起こしていない場合や軽い症状しかない場合には、経過観察を選ぶこともあります。
この場合、定期的に歯科検診を受け、状態を確認します。
問題が発生した際には、適切な対応を検討します。
抜歯が必要な親知らずの特徴
歯茎が頻繁に腫れる場合
親知らずが部分的にしか生えていない場合、歯垢や食べ物のカスが溜まりやすくなり、歯茎の炎症を引き起こす原因となります。
この状態は「智歯周囲炎」と呼ばれ、再発しやすいのが特徴です。
一時的に抗生物質で症状を抑えることは可能ですが、根本的な解決には抜歯が推奨されることが多いです。
慢性的な痛みがあり、日常生活に支障が出る場合
親知らずが歯茎を突き破る際に痛みを伴うことがありますが、一時的な痛みであれば自然に治る場合もあります。
しかし、痛みが慢性化し、日常生活に支障をきたす場合や、鎮痛薬を長期間服用しなければならない場合は、抜歯を検討すべきです。
隣の歯に悪影響を及ぼしている場合
親知らずが斜めや横向きに生えると、隣の歯に圧力をかけ、歯並びを歪める原因になることがあります。
この影響で隣接する歯にむし歯や歯周病が発生しやすくなり、最終的には歯列全体に悪影響を及ぼすこともあります。
こうした場合、抜歯が適切な選択肢となることが多いです。
むし歯や歯周病が進行している場合
親知らずは奥まった位置にあるため、歯ブラシが届きにくく、歯垢が溜まりやすい特徴があります。
このため、親知らず自体がむし歯になりやすいだけでなく、隣接する歯にまで感染が広がることがあります。
生えるスペースが十分でない場合
親知らずが正常に生えるためのスペースが不足している場合、斜めや横向きに生えてしまい、周囲の歯を圧迫することがあります。
この圧迫が原因で歯列が乱れ、不正咬合を引き起こす可能性があります。
一部だけ生えている場合
親知らずが部分的にしか歯茎から出ていない場合、歯と歯肉の間に細菌が溜まりやすくなります。
その結果、むし歯や智歯周囲炎のリスクが高まります。
親知らずを抜かないことで起きるリスク
親知らず周りの歯茎が腫れる
親知らずは奥にあるため磨き残しが多く、特に斜めに生えている場合は清掃が困難になります。
その結果、歯茎が腫れて痛みが生じることがあります。
炎症が進むと歯周病を引き起こし、歯を支える骨が溶ける場合もあります。こうした状態が続くと、親知らずだけでなく隣接する第二大臼歯にも影響を及ぼし、歯の揺れや抜歯が必要になることがあるため注意が必要です。
親知らずと隣の歯がむし歯になる
親知らずはその位置から清掃が難しく、むし歯になりやすい歯のひとつです。特に隣接する歯との間でむし歯が進行すると治療が困難になり、抜歯が必要となるケースが少なくありません。
早めの対応が、健康な歯を守るために重要です。
年齢とともに抜歯が難しくなる
年齢を重ねると顎の骨が硬くなるため、親知らずの抜歯がより難しくなります。
高齢になると、骨を大きく削る必要が出てくる場合もあり、治療への負担が大きくなります。
また、年齢とともに基礎疾患を持つ方も増えるため、抜歯のリスクが高まる可能性があります。
抜歯が必要な場合は、できるだけ早めに処置を行うことが望ましいです。
妊娠との関連
妊娠中はホルモンバランスの変化で歯茎が腫れやすくなり、痛みを感じることが増える傾向にあります。
また、妊娠中は抗生物質や痛み止めの使用が制限されることがあり、抜歯自体が困難になる場合があります。
妊娠を予定している場合には、事前に親知らずを抜いておくことで、妊娠中のトラブルを未然に防ぐことができます。
親知らずは、最も奥に位置する大臼歯で、前から数えて8番目の永久歯です。「第3大臼歯」や「智歯」と呼ばれることもあります。
通常、永久歯は15歳頃までに生えそろいますが、親知らずが生えてくるのは20歳前後が一般的です。
その名前の由来は、生える時期が親元を離れた後であることが多いため、「親がその存在を知らない歯」という意味から付けられたものです。